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2007年08月03日

*アーキテクチャのなかにいる*

ふだんからブログが好きでいろいろ読むのですが、あんなブログもこんなブログもどうにもSLのこととなると周りに同調的に判を押したような記事が上がることが多く、まるでそれが一種の芸みたいになっていて、なんだかなーというところだったのですが、最近やっと面白いのが出てきました。


…といっても何度か面識あったりするのですが、、、
濱野くんという人の記事です。


第10回 セカンドライフが「閑散としている」のはなぜか?
http://wiredvision.jp/blog/hamano/200708/200708020100.php


いよいよ人文ゲーム考察系界隈からの真打ちSL話という感じでしょうか。アプリケーションでありコミュニティでありCGMであるところのSLを「アーキテクチャ」という概念を軸にしてきちんと捉えることができているのはこれまでにないアプローチだと思います。SLプレイヤーとしては感覚的に分かってることが多い話だと思いますが、それが一体どういう構造なのかが丁寧に整理されているところが面白いです。まだこれから話が展開していく途中なのですが、期待できそうな記事です。

そしてSLに馴染んでいる人にとってはなかなか刺激的なタイトルが掲げられていますが、今回は第10回とあるように、単にSLということで飛びついているのではなく、これまでさまざまな話を積み重ねてきていよいよその延長としてSLへと踏み込んでいます。余裕があればぜひ第1回から読み進めて、あるコンテクストの上でこれが語られていることを捉えてもらえたらなと思います。


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■これまでの流れ
第1回:
アーキテクチャとは何か
http://wiredvision.jp/blog/hamano/200705/200705231549.php

第2回~9回:
非同期型/同期型アーキテクチャの違い
非同期型→同期型志向のtwitterやニコニコ動画などの事例
擬似同期型の限界

第10回~:
(真性)同期型アーキテクチャとしてのSL
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■アーキテクチャとは?
・「規制(コントロール)の方法」(ローレンス・レッシグ)
・「環境管理型権力」(東浩紀氏)

つまり「人に何かを強制的に従わせるもの(無意識の規制)」
・そこに権力の発生→「権力バイアス」→抵抗しがち
・それよりは、バイアスから自由になろう!
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僕はゲーム的ルール・デザインの分析・応用などがなにより好きな人間で、いつもこういう構造話のことばっかり考えてしまうというか、構造を理解したうえで心を委ねてプレイしたいなと思っています。

アーキテクチャが利用者を人知れずある方向へと動かす力を持つものである以上、そこに権力的な支配感、ひいては抵抗を覚えてしまいやすいわけですが、そうしたルールを得体の知れないものとして放置せずそれがどういった仕掛けであるのかを理解すれば、サーフィンのように乗りこなせるものでしょう。

特にアーキテクチャが実際に発揮する方向性というのは設計者の意図を離れることがあることからも、利用者のほうで分析し捉えて行く必要があると思っています。


というわけで、SLというメディアについてなのですが、
今のところは
同時性が強すぎる、というか、蓄積しない・揮発性の高いメディア
であることはもっと意識されて良いと思います。


例えばセカンドライフでは、1日前にはたくさんのユーザーが集まって賑わっていた仮想空間上の場所も、次の日には誰もいなくなってしまう――昨日まで盛り上がっていたのが、まるで嘘のように「閑散としてしまう」――ということがありうる。これは非同期型コミュニケーションと比較すればわかりやすいでしょう。

これはまさに特質として指摘されてます。
(これ自体は、閑散とするのがダメだという問題の話ではなく、あくまで特質の話ですね)

非同期型のWebメディアが「より密接な共有感、同期型アーキテクチャ」を志向してtwitterやニコニコを生んだように、
同期型のSLは「より継続的な、非同期型アーキテクチャ」へと歩み寄るアプローチが求められていくと思います。


自分が思うに、非同期へのアプローチのひとつにはブログが挙げられるんじゃないかと思います。
共有機会のコストが高いinworldに比べ、SL外にブログという形で記録を残し、さらにSLMaMeのようなホスティングサービスに集約され共有されていることは非常に手助けとなっており、こうした併用によってやっと十分にSLというメディアを使うことができているのではないかと思っています。


そしてinworldでの取り組みは、まさに上の例のように「1日前の賑わいを残す」というようなアプローチが有効だと思ってます。これはまあSIM単位に限れば個人でもできそうなのでいつか実装したいのですが、アバターの座標ログを取って後から非同期に足跡を再生するとかですね。過去に訪れた人の動線を表示する群集的なアバターというか(むしろこれは現実世界におけるメディアアート感覚に近いかも?)。もちろんプライバシーとの兼ね合いもありますが。

現状のシステム的にはparcel(区分けされた土地)ごとに過去の滞在度合いを示すトラフィックという数値指標が記録されるようになっているので、それをLSLから引き出すことができるようになったりマップ上で見えるようになったりするのが手っ取り早いところでしょう。ただ、SIM全体がひとつのparcelだったりすると有効な手段ではないですが。

なにより、それぞれの人間が考えて生み出す意思決定としてのアバターの動線というものは非常に価値のある情報だと思っています。SIMの中でどこが面白そうとか、どこに滞在するのかとか。そういった先人の選択判断が現状ではまったく蓄積されること無く捨てられているのですから、おそらくここを活用していく方向というのは大きいんじゃないかなと思います。



http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid23.html
そして井庭研究室の記事。(5号さんが!)

そういえばこの方のラブレタージェネレーターとか見てperlやLINGOを勉強したんだよなーと10年前のことをギュンギュン思い出して感慨深いです(直接面識ないけど)。パンダフル島というのを公開するみたいで楽しみ。
Posted by みやおか at 04:32 │Comments(6)
この記事へのコメント
ブログやSNSによる補完というのはかなり重要だと思います。

仰るような分析や工夫はSIMごとに独自にできるというのも重要ですね。
コンサル会社さんは参入企業に説明するんでしょうけど、巷のブログを書くような人達は「SecondLife」という統一された世界を想像してそうだなぁ、と感じました。
そのあたりは実際にいろいろ見ないとピンと来ませんね、たぶん。
Posted by Miya Watanabe at 2007年08月03日 05:45
非常に興味深い考察ですね。
同期・非同期の話は面白いです。
でも、「距離が非現実だから」というくだりは同意しかねる部分もあるなあ。移動が一瞬だから、「移動中」の状態がない分、目的地に人がたまりやすい気がする。

現実と比べるなら、閑散としているように見えるのは、単純にSLはRLと違って「世界にいない(インしていない)」という状態があるからだと思うんだけど。《一人のユーザーが必ず単一の「場所」にしか存在することができない》どころか、存在していない時間も多い。だから非同期のメディアの重要性が増すんでしょうね。

いずれにしろ面白い記事です。次回が楽しみです。
Posted by Tori Teatime at 2007年08月03日 09:28
僕もSLMaMeにもそういった非同期のところはもっと面白い形があるのではないかと模索しています。
ただ、同時に同期の部分もブログでやれたらおもしろいな、とも。
ないものねだりですねw
僕も次の記事が楽しみです!!

あ、見つかっちゃいましたね^^;
Pandaful島はポテンシャルの塊のSIMなんで、僕も非常に楽しみにしています!
Posted by 5号 at 2007年08月03日 22:59
パンダフル島!!!!うきゃー。
そこんちの大学生になりたいっ。
Posted by るじ at 2007年08月04日 12:13
パンダがたくさん生えている島。。。を思い浮かべたw
Posted by SALA at 2007年08月04日 22:36
パンダフル島…(*´ω`)呼ばれてる!?
Posted by あさひな。 at 2007年08月06日 08:49